【GIN-ICHIスタッフブログVOL.89】今さら聞けない?!規格シリーズ第1弾HDMIを正しく知ろう!



最終更新日:2022.12.1



こんにちは!

ちょっとお久しぶりのブログになってしまいました….
ワールドカップ盛り上がってますね!!
もちろん日本も応援していますが、毎日様々な国のサッカーがテレビで見れるので
いつもと違うお祭り気分に少し浮かれてしまいます♪

さて、今日はHDMIケーブルのお話しをしたいと思います。

DSLRが台頭した後、映像伝送には欠かせない規格となったHDMI。
一眼カメラの多くに搭載され、その手軽さと、汎用性から、
いままではSDI(BNC)一択だった放送業界でも、多くの機材でHDMIが採用されるようになりました。

そんなカメラマンに一番身近とも言えるHDMIですが
実は、意外と奥深いのをご存知でしょうか?!

今回は、そんなHDMIの種類と選び方を
ご紹介していきます!




*ところでHDMIってなに?端子って色々あるよね?



HDMIは「High-Definition Multimedia Interface」の略称で、簡単に言うと
音と映像をデジタル信号で伝えるために生まれた規格です。

カメラマンの皆様にとっては、動画撮影をする際、身近なHDMIですが 一般的にHDMIを使うシーンとしては
テレビが一番多いのではないでしょうか?
レコーダーと繋いだり、テレビ周りの何かしらにつなぐ時は、HDMIを使うことが多いです。

というのも
HDMIは、2002年に半導体メーカーや家電メーカーが主体となって、策定したインターフェース規格です。 つまり、発端としては、民生家電で手軽に音声、映像データを転送するために生まれた規格ということです。

そんなHDMIですが
端子の形に、種類があることはご存知な方は多いと思います。
ここでは、主にカメラによく使われている端子をまとめてご紹介いたします!



・タイプA




いわゆる標準サイズのもので、最も多く使われているHDMIコネクターです。
搭載されているカメラの例としては ソニーα7SIIIや、FX3など、比較的近年発売されたモデルを中心に、 動画が重要視される機種に搭載されており
パナソニックのGHシリーズではいち早くタイプAが導入され、
そういったところでも、Youtuberを中心に人気になった部分もあり、近年ではSシリーズにもこのタイプAが引き継がれています。




・タイプC




HDMI-miniと呼ばれるもの
で、デジタルビデオカメラなどに主に採用されているやや小型の端子です。
搭載されているカメラの例としては Z7やZ6シリーズなど、もちろん最新の機種でも搭載されているものもありますが
一番馴染み深いのは、DSLRが加速するきっかけともなった、キヤノン5DシリーズやD800シリーズに搭載されていたこともあり、タイプC端子をご存知の方も多いのではないでしょうか?




・タイプD




HDMI-microと呼ばれるものでタイプCよりさらに小ぶりなものです。スマホなどで採用されていることがあります。
搭載されているカメラの例としては α7シリーズで長く使われていたり、EOS R5,R6で採用されています。

写真ではわかりにくいかもしれませんが
タイプAとタイプDではかなり大きさの差があります。
HDMIは、先述の通り
家電での使用を主とし、開発されたインターフェースのため
元々が放送用で開発された
SDI(BNC)と比べ、
比較的価格帯として手に取りやすく、汎用性が高いというメリットの一方
かなり端子が弱く、消耗品としての部分が大きいというデメリットがあります。

タイプDなど小さい端子になると接触不良なども多くなってきます。
現場でお持ちになる場合は、必ずスペアのケーブルをお持ちいただくことをお勧めします。

さて、ここまで
カメラマンの皆様でも広く一般的にご存じな方も多い情報を
ご紹介してきましたが
端子の形だけではなく、規格として実はランクがあるのをご存じでしょうか?

ここからは、もう一歩踏み込んだHDMIのご紹介をしていきます!




*4Kを撮れるカメラからの出力、お持ちのケーブルは大丈夫?



近年発売されるカメラの多くは、4Kまたは8Kに対応しているという機種が多くなってきました。
言わずもがな高画質、高品質で記録のできる4K,8Kは、もちろん魅力ですが
あと編集や、PCのスペック、最終的な納品形態の問題で
まだ実際にカメラのフルスペックを活用されているという方は、もしかすると少数かもしれません。

しかし、徐々に、4K,8K納品の波は押し寄せており
たとえ最終掲載媒体がYoutubeなどを始めとした動画配信サイトであったとしても
4Kでの収録、納品を求められるというお話をよく聞くようになってきました。

しかし、もちろん内部収録だけで撮影されるのであれば
対応したカメラ、メディアがあれば撮れますが
そういった現場の場合、NINJA Vなどの外部収録機器を使う場合が多かったり
あるいは、外部モニターに出したり 最近では、4K配信というシチュエーションも出てきました。

そういった場合、お持ちのカメラからHDMIで出力することが多いかと思いますが
お手持ちのHDMIの規格(バージョン)を、ご存じでしょうか?

実は、端子の他にも
HDMIから出力できる情報を制限するバージョンがあることは、意外と知られていません。

そこで、今日は改めてまとめてみましたのでご覧ください。



■HDMI 1.2:
パソコンで使われる色域への対応  初めて一般的に多く出回った規格ですが、現在はほぼ市場では使われていない規格です。


■HDMI 1.2a:
HDMI-CEC(機器コントロール用信号)の本格サポート
接続機器のコントロールができるようになったのがこのバージョンからです。
簡単な例でいうと、テレビからHDMIで繋いだレコーダーのコントロールができる。みたいな機能です!


■HDMI 1.3:
伝送可能なデータ量の増加、広色域信号(Deep Color)への対応
このバージョンで一気に進化し、通信できるデータ量が急増したことで、24ビットを超えるカラーの対応ができるようになりました。
ゲーム機のPS3などが主に使用していたバージョンですが、2022年現在ではあまり使われていない状況です。


■HDMI 1.4:
4K映像(3840×2160ピクセル/30Hz、または4096×2160ピクセル/24Hz)の伝送に対応、
Ethernet(有線LAN)信号の伝送に対応、ケーブルの一部仕様変更
こちらが、現在の主流で家庭用機器をはじめ、様々な機器で現在最も使われているバージョンです。


■HDMI 2.0:
伝送可能なデータ量の増加、4K映像のフレームレート向上(3840×2160ピクセル/60Hz)、21:9のアスペクト(横縦)比に対応、HDMI-CECの制御コマンドの追加
近年、映像制作機器でよく使用されるようになってきたバージョンがこちら。
最近発売されているEIZOモニター上位機種にはこちらの規格が採用されたHDMIケーブルが同梱されています。


■HDMI 2.0a:
HDR(ハイダイナミックレンジ)信号の伝送に対応
上記の2.0を一部改良した規格で、基本性能は2.0と変わりません。


■HDMI 2.1:
8K映像(7680×4320ピクセル/60Hz)映像の伝送に対応、4K映像のフレームレート向上(3840×2160ピクセル/144Hz)、VBR(可変フレームレート)映像の伝送に対応
こちらが市場に出回っている最新のバージョンです。(2022年11月現在)
ゲーム機のPS5などがこの規格に対応しているものの、出たばかりの規格のためケーブル自体の価格も高く、まだあまり普及していませんが、今後発売される機器にはこういったものが採用され始める可能性もありますので、ぜひ一緒に覚えておいていただけると良いと思います!



こういった規格、バージョンだけにかかわらず
多くのデータ通信を行うHDMIは、たとえ端子、バージョンが接続機器の規格とマッチしていたとしても 組み合わせによって使えなかったり、使用が安定しない。ということはしばしばです。
また、先述した通り、HDMIという規格自体、頻繁な抜き差しにより消耗するものでもあるので
なにかトラブルが起きた際は、冷静にトラブルの原因を切り分けして調べられるような環境づくりが必要です。





*用途に合わせて選ぼう!おすすめHDMIケーブル



さて、ここまでHDMIの情報をお伝えしてきましたが
じゃあ、どのケーブルが良いのー?というお声が聞こえてきそうなので それぞれ用途に合わせてご紹介していければと思います!

まずは、使用用途として
一番ご相談の多い外部モニターとの接続用HDMIケーブル!

4K60pなどよりデータ量の多い映像を、NINJA Vなどの外部収録機器に繋ぎたい場合は



こちらがおすすめです!
HDMI 2.0対応なので、データ通信も問題ないですし、ケーブル自体も太く、安心感があります。
コイル式になっているのでリグなど組んでいる場合でも、ケーブルの取り回しに融通がきくので、人気の1本です。

最近ご相談が多いのが
特に配信の現場などで必要性が高まる、長めのケーブル。
正直、通常の銅線ケーブルでは、ラインナップを見ていただくとお分かりいただけるように
接続の安定性から、1~3m程度のものがほとんどで、長くても5mのものが多いです。

しかし、配信の現場では、5mでは短すぎる!!というのが正直な気持ちだと思います。
もちろん最近人気のホリーランドなどの無線伝送という選択肢もありますが
確実性を求められる現場では、なにかトラブルがあった時に、すぐ問題の切り離しができるケーブル接続がやはりまだ人気です。

そんな方におすすめしたいのが、光ケーブル!
少し前まで、まだ普及が進んでおらず、超高額のイメージが強い方もいらっしゃるかと思いますが
最近は少しずつ値段も落ち着いてきており
個人のカメラマンさんでも、予備も含め手にとっていただける価格帯になってきました。

そんな中でもおすすめなのがこちら




比較的手頃な価格帯でありながらも、信頼のあるエーディテクノのケーブルです。
こちらは、実は社内でも配信の際などに使用しているのですが
ケーブル自体は細く、しなやかですが、かなり安定して使えています。 光ファイバーケーブルと聞くと、扱いが難しいんじゃないの....?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが
今のところ、通常のHDMIとほぼ同じ使い方をして、なにかトラブルになったことはありません。
多少踏んでしまったりしても、まったく問題ありませんでしたし
ケーブル自体細く柔らかいので、現場の取り回しもすごく楽です。
イチオシです!!

現場ではなく、EIZOなど作業用モニターとの接続用HDMIケーブルをお探しの方にはこちら



EIZO純正のHDMIケーブルです。
正直、やはりこういったものに関しては、お使いのモニター純正がおすすめです。
なぜかと言われると、必ずその機種との組み合わせで動作検証が行われている。という確証からです。

2mのHDMIでいうと、かなり価格帯が安いものも、世の中には多数あります。
しかし、中のシールドの問題や、端子部分の圧着方法などで、規格上は使えるはずでも、なぜか使えない。ということは多々あります。

せっかく良いモニターをお使いいただいているのに、ここで、ロスしてしまうのはかなりもったいないので、悩まれたら純正をお使いいただくのをおすすめしています!

さて、いかがでしょうか?

今回は少しだけ専門的な話もしてしまいましたが、理解してしまえば 現場で、なぜこの映像が映らないんだ...?!?!というトラブルの防止にもなりますので
ぜひ少しだけでも覚えていただければと思います!



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