【GIN-ICHIスタッフブログVOL.92】今さら聞けない?!規格シリーズ第3弾 メディアを学ぼう!SDカード編



最終更新日:2022.12.19



こんにちは!
今年のW杯は盛り上がりましたねぇ!
個人的には、あまりサッカーに詳しくないのですが
それでも、数々の熱戦に感動させてもらいました!
また4年後、楽しみですね♪

さて、今回も引き続き規格シリーズ第3弾!
HDMIからケーブル繋がりでUSBにきまして
そうなってくると、メディアって....となってきませんか?

ということで、今回は数あるメディアの中でも
最も定番でメジャーなSDメモリーカードについて解説していきます!
では早速いきましょう!




*SDカードとは?microSDとの違いって?



SDカードとは、パナソニック、ウエスタンデジタル、キオクシアによって構成されたSD Groupによって、1999年に開発・発表されたメモリーカードです。
幅24mm、長さ32mmの記録メディアで、デジタルカメラやデジタルビデオカメラに使われており
多くのノートパソコンに、SDカードスロットが搭載されている、最も定番化されたメディアです。

一方で、microSDカードは、SDカードを更にコンパクトにしたメディアです。
携帯電話やスマートフォンを始めとして、GoProなどのアクションカム等
機器自体が小型な物に使われる傾向があります。

実は、SDカードとmicroSDカードの間に、miniSDカードなるものも存在していたのをご存じでしょうか?!
登場してからは、スマートフォンや携帯電話などで使われておりましたが、
より小型なmicroSDカードの登場により除々に駆逐されていきました・・・




*SDカード、microSDカードの見方について



みなさんのお手元に1枚はあるであろうSDカード。
色々な情報が書いてあるのはご存じかと思いますが、それぞれの意味をご存じでしょうか?
一覧にまとめましたので、まずはご覧ください。

※クリックすると拡大します。

こちらで、それぞれがなにを示しているのか一覧でご確認できるので ぜひわからなくなってしまった場合にはご覧ください。



さて、ここからは上記でご紹介した それぞれの情報記載項目を1つずつ、解説していきます!




*『スピードクラス』と『UHSスピードクラス』の種類と最低書き込み保証





こちらのスピードクラスですが 読んで字の如く、データの読み書きをする時の転送速度をあらわしています。
現行ではClass2からClass10まであり、それぞれスピードが違います。

・Class2:データを読み書きするときの転送速度が最低2MB/秒
・Class4:データを読み書きするときの転送速度が最低4MB/秒
・Class6:データを読み書きするときの転送速度が最低6MB/秒
・Class10:データを読み書きするときの転送速度が最低10MB/秒

例えば、
キヤノンでは、『【ミラーレスカメラ】EOS R5 メモリーカードに記録可能な枚数(静止画)、総記録時間(動画)
こういったページのように、撮影した画像サイズが明記されています。
こちらからみると、EOS R5でJPEGを非圧縮のLサイズで撮影すると1枚あたり13.5MB必要です。
上記のClassは最低速度の基準のため、必ずしもそのスピードでしか書き込めないということではないですが、Class10が最低10MB/秒であることを考えると、最低でも
Class10が必要だな。ということがお分かりいただけると思います。

次に『UHSスピードクラス』ですが



スピードクラスの上位規格として「UHS(Ultra High Speed)スピードクラス」というものがあり、2010年に新しく発表された規格です。
現在は、このUHSスピードクラスには2種類あります。
・UHS Speed Class1:データを読み書きするときの転送速度が最低10MB/秒
・UHS Speed Class3:データを読み書きするときの転送速度が最低30MB/秒

このUHSスピードクラスの転送速度を出せるのは、SDカードと使用する機器の両方が対応している場合のみです。
どちらかが対応していなければ、SDカードのスピードクラスの転送速度が適用されることになります。




*UHSインターフェイスってなに?スピードクラスとなにが違う?





さて、ここでUHSというと、このスピードクラスだけでなく
UHS-IやUHS-IIなどを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
実は、UHSにはスピードクラスとは別に、1~3( I ~ III )までの規格の種類があります。
IIIは、2017年に発表されたばかりの規格のため、まだ一般的な流通は少ないため、お手元にある。という方は少ないかと思います。

ですので、ここではUHS-IとUHS-IIについてご紹介いたします。
実はこの2機種は、見た目でも違いがあるのをご存知でしょうか?
SDカードの裏側を確認すると



このように、
UHS-Iは裏側の端子部分が1列 UHS-IIは裏側の端子部分が2列 になっており、実は、データ転送時の通信方法が異なります。
通信方法の違いについては、書き始めてしまうと長くなってしまうので、割愛させてください....

UHSスピードクラスは、最初にご紹介したClass10などの『スピードクラス』と同じく
データ転送時の最低書き込みスピードを表すのに対し
UHS-IやUHS-IIの規格は、データ通信規格自体(インターフェイス)になります。

そのため、スピードを保証する『スピードクラス』とは異なり、同じUHS-Iであっても、他のスピードクラスなどによって、データ通信時のスピードが異なることがありますので、ご注意ください。




*ビデオスピードクラスの種類と最低保証速度





ビデオスピードクラスは、動画撮影用途として、4K8K等の高画質・高品質映像記録の要求に応える規格として策定された規格です。

・V6:データを読み書きするときの転送速度が最低6MB/秒
  →SD(スタンダードビデオ)/HD・フルHD(ハイビジョン)向け
・V10:データを読み書きするときの転送速度が最低10MB/秒
  →SD(スタンダードビデオ)/HD・フルHD(ハイビジョン)向け
・V30:データを読み書きするときの転送速度が最低30MB/秒
  →HD・フルHD(ハイビジョン)/4Kビデオ向け
・V60:データを読み書きするときの転送速度が最低60MB/秒
  →4Kビデオ/8Kビデオ向け
・V90:データを読み書きするときの転送速度が最低90MB/秒
  →8Kビデオ向け

※ただし、同じフォーマットでも、使用する機器のコーデックや圧縮比率によって必要なスピードは異なります。



※SDアソシエーションより引用

ここで、さきほどもご紹介したEOS R5のメモリーカードに記録可能な枚数(静止画)、総記録時間(動画)の資料をもう一度見てみましょう!

4K UHDの30p ALL-I(オールイントラ)で撮ったとすると
1分間のファイルサイズは約3373MBになります。これを1分間なので60で割り、1秒換算にすると 約56MBになります。
ということは、V60が最低でも必要になるな。ということがお分かりいただけると思います。




*『SDカード規格』について





さて、最後になりますが
そもそもの『SDカード規格』についてご説明していきます。
上の例では、『SDXC』と書かれていますが
SDカードは、容量によって名前が変わります。

最大容量が2GBまでは、そのまま「SDカード」と呼びます。




最大容量が4GB以上32GBまでは「SDHCカード」となります。



そして、最大容量が64GB以上2TBまでは「SDXCカード」と呼ばれるようになります。



まだ、現時点では製品化されていませんが「SDUCカード」という規格もあります。
これは、後方互換性を保ちつつ最大128TBという記録容量の物になります。
ちなみに、機器がSD規格に対応していないと使用することができません。
機器側が「SDHCカード」まで対応で、128GBの「SDXCカード」を入れると認識せず、使用できません。SDカードを利用したい機器の対応状況には注意をしましょう。

カメラでいうと
こういった形で、メーカーHPや、カメラの外箱に書いてあることも多いので
確認してみてください!






*SDカードのフォーマット(初期化)について



長年、カメラマンの間でも議論が交わされる『フォーマット』。
みなさまはどのようにしていますでしょうか?

フォーマットとは、簡単にいうと、SDカードに保存されている表示および非表示のデータをすべて削除することです。これにより、SDカードが初期状態に戻り、SDカードで発生する多くの不具合が解消されます。

SDカードは、購入してすぐカメラに挿入すれば使えるようになっている物もありますが
快適に使うためには、カメラ側で1回フォーマット(初期化)しましょう。
ここでは長くなるので、詳しく解説はしませんが
SDカードをフォーマットすることで、ファイルシステムを変更することができます。
これにより、SDカードが機器やソフトウェアに対応していない問題を解決できることが多いです。

GoProのSDカードを例にあげますと、
GoProでは、ファイルシステムが、32GBまでのSDカードにはFAT32、64GB以上のSDカードにはexFATが設定されています。
新しいSDカードや、他の機材でも使っていたSDカードをそのまま刺すと、エラーが出てしまったり、うまく書き込みができなかったりすることがあるのは、このファイルシステムになっていない可能性があります。
そのため、まずはその機種に刺し、一度フォーマットを行うことで、そのカメラに適したファイルシステムにし、ご使用することを強くおすすめします!

また、フォーマットは、既存のデータをすべて削除して新しいファイルシステムを作成するだけでなく、一部のSDカードの障害を解決することもできます。
なぜかというと、フォーマットにより記録システム自体の更新も行えるからです。
詳しく説明し出すと、ここだけで1本のブログになってしまうぐらい細かい話なのですが、
大雑把にいうと、人間で言うところの睡眠をさせるわけですね。
(睡眠の場合は消去するというよりは記憶の整理ですが....)

よく、昨日まで使えていたメディアがなぜか、書き込めなくなってしまった!!というご相談をいただくのですが、まずは慌てず、一度入っているデータを取り出し、使用するカメラ内でフォーマットを行ってみてください!




*意外と見逃しがちな安全な使用ポイント



カメラの電源はバッテリーによってすべて賄われております。
カードに高速で書き込む事は電力を意外と消費します。(動画撮影なら連続で書き込むわけですからなおさらです)
そのため、バッテリー容量が低いまま使うと電圧低下などが起こり
書き込みエラーが起こり易くなり、データが不良になりやすくなります。
サードパーティー製のバッテリーを使うと、連写が途中で止まる...などの話も、おそらくこういったことが原因かと思われます。
安全に撮影を行うためには、きちんと純正もしくは信頼度の高いバッテリーを使用し、残り容量が少なくなってきたら、バッテリーは交換したほうがいいでしょう!

また、メディアの大敵はなにかご存知でしょうか?
電子機器である以上、丁重に扱わなければならないことは前提となりますが
最近では、




こういったタフシリーズのように
高強度、防水、防塵などのメディアも出てきています。

濡らさないようにや、落とさない、踏まない、などの注意はみなさましているかと思いますが
これからの時期、もっと気をつけていただきたい点が一つ。
『静電気』です。

メディアの一番の大敵は、『電気』なのです。
乾燥したこの季節、静電気が溜まっている状態で、メディアを触って バチっとした瞬間、データが吹っ飛ぶ...なんてことも、まだなくないです。
メーカーの工夫もあり、昔ほど神経質にならずとも、安全に持ち運べるようにはなりましたが
ちゃんと、メディアケースにいれて持ち運ぶ。
メディアに触る前には、静電気を一度逃がしてから触る。
ひとに手渡しする際には、机に一度置いて渡す。
など、少しの工夫を習慣化していただくだけで、トラブルを防ぐことができますので
ぜひ、どこかで心がけていただけますと幸いです。




*おすすめSDカードを用途別でご紹介!



さて、ここまでSDカードの規格や、使用方法などをご紹介してきましたが
世の中には、たっくさんのSDカードがありますよね。
自分の撮影にあったメディアはどれなのか...なかなか悩みがちだと思いますので
ご紹介していきます!

SDカードは、上位の物になればデータの転送スピードも速くなりますし、規格が上位に行けば行くほど容量も大きくなります。
かといって予算の許す限り、上位のSDカードを購入すればいいのかといえばそうではありません。
必要以上に高性能なSDカードを購入してしまえば、無駄な出費になります。
用途に合わせて最適なSDカードを購入するのが賢明といえるでしょう。

写真撮影のみにしか使わず、手頃な価格で安心のSDカードを数揃えたい!という方にはこれ!




手頃な価格ながらも、よほど大きなサイズで連写をしない限り
安定してご使用いただけるスピードのこちら。
なかなかメディア1枚で現場にはいけず、予備の予備ぐらいまでは用意したいメディアだからこそ、定番でご使用いただけるSDカードです。

写真も動画も撮影するけど、動画は4Kや8Kなどでは撮らず、手頃ながらもしっかりスピードは保ちたい!という方にはこれ!




UHS-IIで、ビデオスピードV60を採用しているので
ほとんどのカメラの4K30p程度までならカバーできるスピードがあるので、メディアで現場の足を引っ張ってしまう...ということもないながら、複数枚揃えられる価格帯。
以前、エンジェルバードブログでもご紹介しましたが
Angelbirdは、世界中のビデオグラファーから信頼を得ているブランドで、サポートも手厚いため、失敗できない現場での使用におすすめです。

カメラのフルスペックを使用して、しっかり映像制作を行いたい!という方にはこれ!




UHS-II、ビデオスピードV90採用ですので
4Kや8K映像にも対応できるメディアです。
先ほどもご紹介しましたが、よりデータ量の多い記録を行うためには、
よりメディアの精度も必要になってきますので、ぜひ安心安全のエンジェルバードをおすすめします!

もちろん、上記は1例の紹介です。 これでなければ撮れない!ということは全くありません。
また、この時代、様々なメディアがある中で、みなさまそれぞれ気に入っているブランドや、揃えていらっしゃるブランドもあるかと思います。
そんな中で、どれを選んだらいいのか?
困ったら、UHS/クラス/ビデオスピードすべてが表記されているカードを選んでみてください!

また、特に動画制作機などでは、メーカーから
推奨のメディアが紹介されている場合もあります。
例)ブラックマジックデザイン Pocket Cinema Camera 6K 推奨メディア
https://www.blackmagicdesign.com/jp/support/faq/59026





ぜひ、参照してみてください!

さて、いかがでしたでしょうか?
カメラはフィルムからデジタルに移行後、記録メディアとは切っても切れない関係です。
ぜひお手元のメディアのメンテナンス、買い足し、新しいカメラの導入後などの際
このブログをヒントに、適正なメディア選びをしていただければと思います!

次回以降、記録メディアブログが少し続きます!
お楽しみに!



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